nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
07 | 2017/08 | 09
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

人口構造の変化と社会経済への影響
2006年12月に公表された「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」では、今後、日本は一層少子化・高齢化が進行し、本格的な人口減少社会になるとの見通しが示されました。出生中位・死亡中位の推計によると、2055年には、合計特殊出生率は1.26、人口は9000万人を下回り、その4割が65歳以上の高齢者、一年間に生まれる子供の数は50万人を下回るとされています。
社会保障審議会の「人口構造の変化に関する特別部会」が2007年1 月に公表した「人口構造の変化と社会経済等への影響」をまとめました。


人口構造の変化と社会経済への影響

1.人口構造の変化
今後、日本は一層少子化・高齢化が進行し、本格的な人口減少社会になるとの見通しが示されたが、新人口推計(出生中位・死亡中位。以下同じ。)による今後の人口構造は、単純に人口規模が縮小するのではなく、少子高齢化や未婚化の進行等により、労働力・世帯・地域等の姿が大きく変化していくことになる。

(1)2030年頃まで
団塊世代(1947年~1949年生まれ)が後期高齢者(75歳以上)となる2030年頃までは、高齢者数が急激に増加し、特に後期高齢者数は2005年の約2倍に増加する。
しかし、団塊ジュニア世代(1971年~1974年生まれ)がなお現役でいることから、生産年齢人口(15歳~64歳)は大幅に減少するものの、未だ全人口の6割弱であり、65歳以上人口比率も3割強に留まる見通しである。

(2)2030年~2055年
人口の山の裾野も含めると団塊世代とほぼ同数となる団塊ジュニア世代が団塊世代と入れ替わり、高齢者となることから、高齢者数は概ね横ばいで推移する見通しである。
一方、団塊ジュニア世代の子ども世代(1995年生まれ~)には、現在のところ大きな出生数の山が出現していないことから、2030年頃を境に現役世代の人口はさらに急激に減少する見通しである。その結果、団塊ジュニア世代が後期高齢者となる2055年には、生産年齢人口比率は約5割となり、65歳以上人口比率も4割を超えると見込まれている。

(3)外国人の増加による変化
新人口推計では、過去のトレンドを将来に投影して外国人が漸増するとの推計結果となっているが、仮に過去のトレンドを超えて外国人が大幅に増加した場合には、社会構造全体が大きく変化する。

2.労働力人口の減少
生産年齢人口の減少に伴い、労働力率が現状のままで推移した場合には、今後、労働力人口についても減少が見込まれる。労働力人口が減少する中では、まず生産性を向上させ、成長力を強化することが必要である。しかし、技術革新や資本増加により労働力人口減少の影響はある程度カバーすることが可能であるが、2030年以降の我が国の生産年齢人口の減少は相当大きなものと見込まれており、その影響は軽視できない。
中長期的な経済成長の基盤として、労働力人口の減少を緩和していくためには、若者、女性、高齢者の労働市場への参加を促進していくことが必要である。

(1)2030年までの社会経済との関係
2030年までの人口構造を見ると、2030年における24歳以上の世代は、現在、既に生まれており、今後のこの世代の人口及びその減少傾向はほぼ確定している。
したがって、この間の生産年齢人口減少の影響をカバーしていくためには、今後、すべての人の意欲と能力が最大限発揮できるような環境整備に努めることによって、若者、女性、高齢者の労働市場への参加を促進し、労働力人口の減少の緩和を図ることが必要である。

(2)2030年以降の社会経済との関係
2030年以降に支え手となっていく世代はこれから生まれる世代であって、今後の出生動向の変化によりその数はまだ変動する余地があるが、新人口推計によれば、生産年齢人口は、それ以前と比べ、急激に減少すると見込まれている。
この急激な生産年齢人口の減少に伴う労働力人口の減少をカバーするためには、何よりもまず、これから生まれる子ども数の減少をできる限り緩和することが最重要課題であり、次世代育成支援の観点に立った効果的な少子化対策を強力かつ速やかに講じていくことが不可欠である。

3.世帯構成や地域の姿等、生活の状況の変化
新人口推計に見られる人口構造の変化は、世帯の状況や地域の姿にも大きな影響を与えることになるため、これに対応した社会の在り方を検討していくことが必要である。また、国・地方をはじめ、経済界や労働界、地域社会等において、大幅な人口減少のトレンドを変え、将来の国民の暮らしを守るという観点からの少子化対策の必要性が広く認識される必要がある。

(1)単身世帯の増加
女性の未婚率に着目した場合、今後、中高齢層での未婚率の上昇が著しく、2005年の50歳代女性の未婚率が6%であるのに対し、2030年では20%、2055年では24%に上ると見込まれ、男性も同様に概ね4人に1人以上が未婚となることが想定される。離別の増加や死別も考慮に入れれば、50歳代以上の者の属する世帯のうち4割以上が「単身かつ無子世帯」となることも想定される。

(2)要支援世帯の増加
単身世帯は、世帯員相互のインフォーマルな支援が期待できないことから、相対的に失業や疾病・災害といった社会的リスクに弱く、社会システムによる支援がより必要になると考えられる。また、経済的に見ても、可処分所得減少の影響を受けやすい。単身世帯の増大は、介護問題を始めとした支援を要する世帯の増大や負担能力の減少など、社会全体に大きな影響を及ぼすことが懸念される。

(3)地域社会の変化
毎年の出生数は、2030年には約70万人、2055年には50万人弱となると見通されており、通常の地域社会において平日昼間に目にする子どもの数は少なくなり、地域社会の支え手も相当部分が高齢者になるといったことが想定される。
また、子どもの立場で考えても、「仲間と一緒に豊かに育つ」という健全な育成環境が確保されなくなるおそれがあり、社会全体として見ても、文化の継承者が少なくなり、未来への希望が持ちにくくなることが懸念される。


参考資料
日本の将来推計人口(平成18年12月推計)
「出生等に対する希望を反映した人口試算」の公表に当たっての人口構造の変化に関する議論の整理
スポンサーサイト

テーマ:労働問題 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
【2007/06/21 22:15】 | # [ 編集]


この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://akazawanami.blog73.fc2.com/tb.php/77-cb15e4a7
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

年金でトクする88のアイデア

今後の参考として購入し、とてもよかったです。実用品・普段使い  息子がずっとフリーターだったのですが、その場合の申請方法も書いてあったので読んでみてよかったです。ためになります。・社会補償費2200億円減、後期高齢者医療 保険料50万限度・田辺市が国保 社会の思い入れ【2007/08/09 09:03】

再分配政策の政治経済学(1)第2版

経済に詳しくない人でも、きっと読めると思う。本はぶ厚いし、表紙も硬いし、何だかとっつきにくそうだけど、読んでみると多分「なんじゃ、こりゃ」って思えるのでは。だって、ハッキリと書かれてるから。活字として見なくて、テレビでどっかの評論家が目の前で、この文章を 【2007/09/17 13:32】

プロフィール

赤澤 波

Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

全記事(数)表示

全タイトルを表示

Google フリー検索

Google

WWW検索 ブログ内検索

最近の記事

カテゴリー

最近のコメント(コンパクト)

データ取得中...

最近のトラックバック

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

リンク

月別アーカイブ

RSSフィード

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。