nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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社会保険庁廃止の要因(3)-組織体質
度重なる不祥事の発生に加え、不正免除という法令違反が、全国の社会保険事務局及び事務所で数多く発生し、かつ調査のたびに件数が増加していったことにより、国民の社会保険庁に対する信頼は大きく失われた。職員の遵法意識の欠如、組織の閉鎖性隠蔽体質一体性の欠如は、行政組織としての規律が機能していないことを露呈し、組織の抜本的見直しが求められた。2006年8月に社会保険庁が公表した資料の中から、組織の問題点と対応策をまとめました。


不正免除における組織の問題点と対応策

1.不正免除発生の構造的背景
(1)事務局・事務所の問題
(1) 法令遵守(コンプライアンス)意識等の不足
法令違反の認識が乏しい例が多く、本人の申請・請求に基づいて行う等の法律上の原則やオンラインシステムのデータの保護の重要性等について認識不足であった。また、国民の共助のしくみである社会保険については、国民一人一人に対して、制度の意義・役割を丁寧に説明し、その理解と納得があって成り立つものであるが、社会保険の基本についても認識不足であった。

(2) 地方事務官制に由来する組織としての一体性とガバナンスの不足
社会保険事務所の職員は、昭和22年の地方自治法制定以来、平成12年に至るまで、国が任命する国家公務員であるが都道府県知事が指揮監督するという地方事務官であった。このため、各都道府県ごとに閉鎖的な人事が行われ、一体性に欠いた組織であり、こうした組織体質が、平成12年以降も十分に解消されずにガバナンスの不足した組織であった。

(3) 独自の判断による事務処理を行う組織風土
事務所長に相談しないで職員が独断で行った例、事務局に事務所が独断で行った例、本庁に相談しないで事務局が独断で行った例、さらには上司や上位組織から行わないように指示されながら実施してしまった例など、独自の判断で独自の事務処理を行う中で、法令等に定める手続きを逸脱したものであり、独自の判断による事務処理を認めてきた組織風土があった。

(2)本庁の問題
(1) 業務の標準化・統一化が不十分
本庁は、業務運営の枠組みは定めるが、細部は各都道府県事務局ごとの裁量に委ねがちであり、執行状況の把握も不十分であった。十分な業務マニュアルが無く、応答事例の蓄積・整理がなされていなかった。

(2) チェックシステムの不備
現行のオンラインシステムは、処理権限の特定化や入力監視業務を十分に行えるシステムになっていない。現在のチェックシステムは、個人が行う不正を想定したものであり、組織的に行ったものには有効に機能しなかった。

(3) 本庁によるガバナンス体制の不足
社会保険庁の組織は、中央組織(本庁内部部局)が小さい一方、中間組織(社会保険事務局)が大きく、ばらばらに業務企画、業務管理を行っている偏った構造となっている。
ガバナンスを確保するために必要な組織内での業務執行ルールが徹底されてなく、地方での不正免除を把握できる可能性のあった情報が、本庁の担当者レベルでとどまり、的確な判断の下に未然防止や拡大防止を図る事ができなかった。初期の調査において、事案の多様性や全国的な広がりを想定できずに、徹底した調査にならなかった。

(4) 人事政策と人材教育の不足
事務所長に大きな権限を与えているが、人材の育成と登用ができていない。事務局長等の幹部職員にも組織・管理能力が不足する者があった。地方の幹部職員の能力と識見、リーダーシップにより大きな差異が生じている。社会保険事務所長の中には、国民年金の業務に直接携わった経験が無く、担当職員に任せがちな所長もいた。きめ細かな研修等の人材育成の体系がなく、制度の法的な意義や適正な手続とともに電磁的記録の重要性や取扱いについて職員に徹底する研修も不十分であった。

2.対応策
(1)法令遵守の意識の徹底
法令に基づいて業務を行う

(2)業務の標準化・統一化の徹底
統一的で詳細な業務マニュアルや情報共有のシステム等の整備

(3) 事務処理のシステム的なチェック機能の整備
監視システムの開発、受付と入力処理の分離

(4)監察部門の機能強化
外部人材の登用、不適正処理の是正重視の監察方式

(5)ガバナンスを強化するための組織改革
地方社会保険事務局のブロック化、本庁の体制強化

(6)能力重視の広域人事等の断行
地方組織の幹部職員に有能な職員を育成・選抜して広域人事で登用


参考資料
国民年金保険料の免除等に係る事務処理に関する調査結果等について

関連エントリー
社会保険庁廃止の要因(1)-カワグチ技研収賄事件
社会保険庁廃止の要因(2)-国民年金不正免除
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... さっき薬を飲んだので、 落ち着いたら、 銀行周りと、 社会保険庁に書類提出をして、 一度職場に顔を出してきます。 そんでもって、 GWに帰省する義弟が我が家に寄るそうなので、 大急ぎで部屋の片付けもしなくちゃ。 ... 最新ブログをまとめて検索【2007/05/13 23:05】

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赤澤 波

Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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