| 日本経済の進路と戦略 〜新たな「創造と成長」への道筋〜(1) |
経済財政諮問会議(第29回2006年12月14日)は、日本が目指すべき経済社会の姿と、それを実現するための今後の経済財政運営の中期方針である「日本経済の進路と戦略〜新たな創造と成長への道筋〜(原案)」を公表しました。 第31回(2006年12月26日)会議において提出された資料(案)にリンク先を修正しています。なお、「日本経済の進路と戦略」は、2007(平成19)年1月25日閣議決定しました。 対象期間は、今後5年間(2007年度〜2011年度(平成19年度〜23年度))ですが、財政健全化等に関しては、より長い期間を視野に入れています。 日本経済が直面する三つの課題−1.人口減少による成長制約、2.地域間の不均衡と格差固定化への懸念、3.極めて厳しい財政状況を克服するとともに、新たに生まれつつある可能性の芽を大きく育てていかなければならないとしています。 1.直面する課題と新たな可能性
(1)日本経済が直面する三つの課題 1.人口減少による成長制約 2005年(平成17年)に我が国の総人口は減少に転じ、2007年(平成19年)以降の数年間は、団塊の世代が60歳に達する時期にあたり、特段の取組が行われない場合には、労働力人口の急速な減少が予想される。 国の基本政策として、まず出生率の低下傾向の反転に向けた努力が重要であり、また、労働力人口が減少する中においては、生産性の向上が最重要の課題であり、これを達成しなければ、潜在成長率は低下することになる。
2.地域間の不均衡と格差固定化への懸念 我が国経済は、息の長い景気回復を続けているが、都市と地方の間、企業規模等によって回復にばらつきがある。 また、近年の就職困難な時期を経て、フリーターなど若年層を含む非正規雇用者、さらにはニートが増加してきた。 こうした状況が長期化すると、いわゆる勝ち組・負け組が固定化していく懸念がある。
3.極めて厳しい財政状況 国・地方の基礎的財政収支の赤字は、2002年度(平成14年度)のGDP比5.7%という高い水準から、2007年度(平成19年度)には同0.6%程度に改善すると見込まれるが、依然として極めて厳しい状況にある。さらに、ストック面を見ると、政府債務残高GDP比は2007年度(平成19年度)141.1%程度と見込まれ、主要先進国の中でひときわ厳しい状況となっている。 財政の現状は、将来世代へ負担を先送りする構造となっており、このような状況を放置すれば、企業部門の資本蓄積にマイナスの影響を与え、中長期的な成長に悪影響を及ぼすこととなる。
(2)新たな可能性を切り拓くチャンス 1.イノベーションがもたらす成長の可能性 IT、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー等の分野では、多様なイノベーションが起こりつつあるため、その活用を幅広い分野に浸透させ、時代に適合した経済社会システムに変化させることで、生産性の大幅な向上が期待される。
※イノベーションとは、単なる技術革新ではなく、広く社会のシステムや国民生活などを含め、新しい技術や考え方を取り入れて経済的、社会的に大きな変化を起こし、新たな価値を生み出すことを指す。
2.アジアと共に成長するメカニズム 世界の成長センターであるアジアの成長力は、我が国の活力を高める大きな刺激となり得る。アジアと共に成長するメカニズムを強化し、さらには、アジアの中核国として、国際的な協業ネットワークや文化力に基づく融合的な市場の形成を主導することが必要である。
3.新たな商品・サービスを生む消費市場 健康・医療分野、教育・職業訓練分野、家事・子育て支援分野など、生活に直結したサービスへの消費需要が拡大すると見られるが、新たな商品・サービスを生む消費市場の実現の鍵となるのは、現在、規制等によって潜在的需要に十分に対応できていない非製造業の改革である。
(3)改革の加速・深化 これらのチャンスを活かすためには、「戦後レジーム」を支えてきた官主導の経済社会システムから脱却し、自由と規律に支えられた経済社会システムへと移行することが不可欠であり、新たな戦略の下で、改革への取組を加速・深化する必要がある。
参考資料 日本経済の進路と戦略
関連エントリー 日本経済の進路と戦略 〜新たな「創造と成長」への道筋〜(2) 日本経済の進路と戦略 〜新たな「創造と成長」への道筋〜(3)
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