nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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2007(平成19)年度予算編成の社会保障費(2)-医療・介護・年金・児童手当
財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の2007(平成19)年度予算に関する建議の社会保障費の続き(1の雇用保険・生活保護はこちら)です。
医療・介護費が、今後、高齢化の進展により経済の伸びを上回って増大するために国庫負担の抑制に取り組む。児童手当は、必要な財源の確保が不可欠であることを踏まえて、慎重に検討するとしています。
政府・与党は、0~3歳未満児の児童手当の増額(乳幼児加算)について、第1子、第2子を倍増し、月額1万円とすることを決めました。第3子以降は現行の1万円で据え置き。増額に伴う必要財源年額約1650億円は、緊急雇用創出特別基金の廃止を前倒しするなどして捻出します。(参照
医療、介護、年金、少子化対策についてまとめました。


3.医療
(1)医療費等の動向
(1) 医療費の伸び
医療費は、経済の伸びを上回って増大することが見込まれている。その結果、保険料・税負担といった医療費の国民負担も引き続き増大していくことなる。
特に、団塊の世代が高齢者の仲間入りをする2012年度以降までを見通すと、高齢者数が急速に増加することにより給付費が大幅に増大する一方、それを支える現役世代の減少が続く事が見込まれている。

(2) 医療費の国庫負担
医療費の国庫負担は、現在、社会保障関係費の約4割を占めている。今後、高齢化の進展に伴い、公費負担割合の高い老人医療費が増大することにより、公費負担の割合が高まっていくことが見込まれており、歳出・歳入一体改革の観点からも、医療費の国庫負担の抑制が課題である。

(2)医療制度の現状
主要先進国との比較
(1) 老人と若人の一人当たり医療費の格差
老人一人当たり医療費は若人の約5倍、諸外国は2~4倍。
(2) 平均在院日数、病床数
平均在院日数は約36日、諸外国の3~6倍。病床数(人口千人当たり)は約14床、諸外国の2~4倍。
(3) 外来患者の年間受診回数
年間約14回、諸外国の2~5倍。
(4) 高額医療機器数
CTスキャン(人口百万人当たり)は約93台、諸外国の6~13倍。MRI(同)は 約35台、諸外国の4~11倍。
(5) 後発医薬品シェア
数量ベースで約17%、アメリカ・イギリス・ドイツの3分の1

国内比較
(1) 老人一人当たり医療費や病床数の地域格差
一人当たり老人医療費は、最大(福岡)と最小(長野)で、1.5倍の格差。
一人当たり老人入院医療費は、最大(北海道)と最小(長野)で、1.8倍の格差。
病床数(人口10万人当たり)は、最大(高知)と最小(神奈川)で、2.8倍の格差。
(2) 先発品と後発品の価格差
同一の成分でも価格差がある。

最新資料  2005(平成17)年患者調査の概況

(3)今後の課題
諸外国の医療制度の例を参考にしながら医療費の抑制に取り組む
(1) 医療サービス提供コストの削減・合理化
(2) 公的保険の範囲を真に必要なものに重点化
(3) 年齢を問わず負担能力に応じ公平に負担 

(4)諸外国の医療制度
(1) 外来医療費の自己負担
フランス・ドイツは、年齢に関係なく同一の自己負担。
フランスは、外来医療費について、3割負担に加えて、診療1回当たり1ユーロ(約140円)を負担。

(2) 外来薬剤費の自己負担
フランスは、薬剤の内容によって、負担割合を変更している。(例えば、効果の低い薬は65%負担、ビタミン剤等は100%負担)また、一部の医薬品については、ジェネリック薬を基に償還額が設定され、それを上回る部分については自己負担。
ドイツは、1割自己負担に加え、参照価格を超過する分についても自己負担。

4.介護
(1)介護費の伸び
介護費は、経済の伸びを大きく上回って伸びていくことが見込まれており、社会保障費の保険料・税負担の増大の要因の1つとなっている。

(2)介護費の抑制
次期事業計画(2009年度~2011年度)に向けて、サービス提供コストの削減・合理化、利用者負担や公的保険給付の範囲の見直し等の改革を進めていく。
介護予防サービスについては、まずはその費用対効果を検証していくことが重要であり、その結果を踏まえて必要な対応を検討する。

5.年金
(1)新人口推計の公表
年金財政の状況については、2006年末までに公表が予定される新人口推計を踏まえ、2009(平成21)年度までの間に検証の結果が公表されることから、人口や経済の長期の趨勢を見極めながら議論を進める。

(2)基礎年金の国庫負担割合
2009(平成21)年度までに実施する国庫負担割合2分の1への引き上げ財源を含め、安定財源確保を図る必要があり、厳しい財政事情を踏まえて検討を進める。

6.少子化対策
(1)施策の重点化
具体的な少子化対策としては、結婚や子育てに関する社会全体の意識改革、仕事と子育てが可能な働き方の見直し、地域・家庭の果たすべき役割の見直しなど、国・地方・企業等が一体となった幅広い取り組みを進めていく。
予算を伴う施策については、優先順位を付け、重複を排除し、地方公共団体・企業・地域社会・関係各省の間の十分な連携の上に立って、真に効果的なものに重点化する。

(2)児童手当 
児童手当等の多額な財政支出を伴う経済的支援については、その効果も含め少子化対策全体の在り方や必要な財源の確保が不可欠であることから慎重に検討する。


参考資料
平成19年度予算の編成等に関する建議(2006年11月22日)

関連エントリー
2007(平成19)年度予算編成の社会保障費(1)-雇用保険・生活保護
「骨太の方針2006」を読む(2)-社会保障費の歳出・歳入一体改革
2006年版厚生労働白書を読む(1)-年金制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(3)-少子化対策
2006年版厚生労働白書を読む(5)-医療保険制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(7)-介護保険制度改革
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赤澤 波

Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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