nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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新たなセーフティネット(生活保護制度)の提案
生活保護に関して、経済財政諮問会議で菅総務相から「持続可能な社会保障制度を作るためには、現場の知恵を生かすという工夫が重要である。知事会等で検討し提案しているが、(全国市長会サイト)生活保護制度について現在の保護する制度から再チャレンジをする人に手を差し伸べる制度へと、こういったことも大事である。具体的には、働ける世代の適用期間を最大5年間とするような有期保護制度をつくる必要があるのではないか。あるいはボーダーライン層が生活保護に移行することを防止するための就労支援策も必要ではないか。」という発言がありました。
全国知事会および全国市長会が提案している「新たなセーフティネット」の内容をまとめました。


1.新たなセーフティネット(生活保護制度)
(1)目的
国民の勤労を尊ぶ自助自立の精神に基づき、個人が貧困と戦うことを、国が積極的に支援する制度を創設し、ライフステージに応じた貧困対策を実施する。
ボーダーライン層が被保護世帯に陥らないため、さまざまな支援体制が必要である。慢性的貧困は、複合的な要因によって生じるが、貧困に陥った者が就労自立できるようにするため、基本的生活訓練、職業訓練、職業教育等による就労阻害要因の除去等、プログラムをしっかり組んで目標を定めた就労支援を行う。

(2)プログラム実施の前提条件
(1) 生活保護部門と関係部門との一体的な連携
(2) 生活保護基準については就労自立を促進する方向で設計
(3) 適正な情報の取得や権限の強化
(4) 職員の技能開発等、条件整備

2.稼働世代(18 歳以上65 歳未満)に対する適用期間を最大5年間とする有期保護制度の創設
(1)制度の内容
(1) 制度の適用期間を最大限5年間に限定。ただし、5年間の期限が切れた後再申請を行い、一定の条件を満たす困窮状態にある者については、適用。再申請後については、地域の雇用情勢、個人の稼働能力等に応じた処遇を行う。
(2) 制度を利用して1 年で生活保護から脱却できた者は、後に再び貧困に陥った時に、残りの4年間の利用が可能。
(3) 期間を月単位(あるいは日単位)に分割して、合計して5年以内であれば何度も使うことが可能。
(4) 制度適用期間を限定し、プログラムに真剣に参加することを条件として給付が行われることにより、被保護者並びに福祉事務所および関係機関が共に明確な目標を持ち、それに向けて限られた資源を有効に投入し、就労を促進。
(5) 制度適用期間は、「金銭給付」だけではなく、福祉事務所および関係機関が積極的に被保護者と共に、就労自立のため、複合的な就労阻害要因の除去、職業紹介等を実施。
(6) 重度の障害・慢性的な疾患を有する等により働くことができない者については、適用除外として5年の期限およびプログラムが適用されず、最低生活を保障。
(7) 稼働世代の生活保護基準額、最低賃金、非正規雇用者の収入とも均衡を図る。

(2)支援プログラム
(1) 育児・介護等の家族支援(育児・保育サービス、介護サービス等との連携)
(2) 就労に至るまでの基本的準備(各種セラピーの提供、基本的な生活訓練、基本的学力を身につけるための教育など)
(3) 職業経験、職業訓練、職業教育
(4) 就労プログラム(就労斡旋活動、一定期間就労後のフォローアップ)

(3)実施体制
(1) 実施機関は、生活保護部門、医療・社会福祉部門、労働部門、教育部門等からなり、とくに福祉事務所と労働部門との一体的な連携が必要であり、国が強力に推進する体制を構築するとともに、地方も関係機関が連携する体制を構築する。
(2) 実施主体は、公共部門だけではなく、民間企業、NPO、大学、職業訓練校等。

3.高齢者(65歳以上)世帯対象制度の分離
(1)制度の内容
(1) 長年の国民年金(基礎年金)保険料の納付が報われる給付構造とするため、高齢者制度から給付金を受ける場合の収入認定において、長年支払ってきた国民年金の受給額全てが認定されるのではなく、一部を控除するように制度設計。
(2) 国が基準を決め、現行の級地制度については維持しつつも、区分および水準を見直す。
(3) 稼働世代の生活保護基準額、最低賃金、非正規雇用者の収入とも均衡を図る。
(4) 住宅扶助に相当する部分の基準は、国が地域に応じて決定。
(5) 支給に際しては、所得および資産調査を実施。
(6) 高齢者世帯に対するケースワーカーを原則配置せず、現行の医療や介護、健康づくりなどの高齢者政策のなかで行っている見守りなどのケアを実施。
(7) 高齢者世帯については、原則その資産活用し、保護費に充当する。

4.ボーダーライン層が生活保護への移行することを防止する就労支援制度
(1)制度の内容
(1) ボーダーライン層に関しては、たとえば、職業紹介や職業訓練等、有期保護の適用者が利用するプログラムのいくつかを共に利用することにより、就労支援(期間を1 年間に限定)を実施。
(2) 子育てや教育など、特定の時期や目的に特化した給付の充実。
(3) 非正規雇用者の待遇改善。


参考資料
経済財政諮問会議議事録(第25回平成18年11月10日)
新たなセーフティネットの提案(2006年10月 全国知事会、全国市長会)

関連エントリー
2006年版厚生労働白書を読む(4)-生活保護制度改革
2007(平成19)年度予算編成 の社会保障費(1)-雇用保険・生活保護

参考エントリー
新たなセーフティネット(EU労働法政策雑記帳)
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テーマ:格差社会 - ジャンル:政治・経済

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【2010/09/06 21:58】 | # [ 編集]


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赤澤 波さんの nami社会保障通信 を拝見する http://akazawanami.blog73.fc2.com/blog-entry-49.html 1.新たなセーフティネット(生活保護制度) (1)目的 国民の勤労を尊ぶ自助自立の精神に基づき、個人が貧困と戦うことを、国が積極的に支援する制度を創設し、ライ ( ゜Д゜)イェア! トラックバック?【2006/11/22 00:23】

プロフィール

Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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