nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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育児休業中の所得保障の拡充は、少子化対策になるのか?
吐息の日々~労働日誌で、日経新聞の記事(ちなみに記事内容はかなり間違っています。特別会計の雇用保険三事業ではなく、一般会計の助成金新規事業として11億7千万の予算要求)を取り上げて育児休業給付の引き上げもいいかもしれないがというエントリーを書いています。
少子化に歯止めをかけるとともに、妊娠、出産、育児に伴う離職率を低下させ、労働者の雇用の安定を図るためには、育児休業の取得を積極的に推進していくことがこれまで以上に重要である。
育児休業の取得を積極的に促進するためには、事業主の意識の向上や主体的かつ継続的な取組の推進につなげる形での育児休業期間中の所得保障の拡充が最も効果的であり、こうした事業主の取組を支援する事業が必要である。
厚生労働省の事業評価書にはこのように書いていますが、本当に効果的なのでしょうか?


1.育児・介護雇用安定等助成金の拡充(案)
全国の都道府県労働局において、労働者の育児休業取得期間中に、事業主が独自に一定期間以上の経済的支援を行った場合に、その取組を助成する。

(1)支給対象事業主
以下のいずれにも該当する事業主
1.育児休業について、労働協約又は就業規則に定め、実施している事業主
2.雇用保険の被保険者として雇用する者が当該育児休業休暇を取得する期間中において、3か月以上当該労働者に対し経済的支援を行う事業主

(2)助成内容
事業主が行う経済的支援額に以下の助成率を乗じた額を支給
1.大企業1/2
2.中小企業2/3
上記の助成額が日額で休業開始時賃金日額の30%又は4,245円(育児休業基本手当金の上限額)を超えるときは、その額を限度とする。

2.育児休業取得率の低い企業は企業規模が小さく、育児休業制度の規定がない
事業評価書では、「育児休業取得率、女性は72.3%(前年度70.6%)、男性(配偶者が出産した男性労働者に占める育児休業者)は、0.5%(前年度0.56%)となっており、取得している場合でも男性においては、その期間は未だ1か月未満が全体の約1/3(31.7%)を占めている。」と書いています。
これは、平成17年度女性雇用管理基本調査(厚生労働省)の数字なのですが、資料をよく読むと、女性の育児休業取得率は、事業所規模が大きいほど取得率が高く(500人以上87.3%、100~499人79.0%、30~99人76.9%、5~29人58.5%)育児休業制度の規定のある事業所(78.4%)の方が、規定のない事業所(28.1%)よりも50.3%ポイント高いのがわかります(参照

3.有期契約労働者の育児休業取得率は低い
有期契約労働者の育児休業取得率は、女性が51.5%、男性が0.10%となっています。(参照

4.育児休業を利用しなかった理由
育児休業を利用しなかった理由として、「育児休業取得に伴う収入減」(40.2%)「職場の雰囲気」(43.0%)を挙げていますが、事業評価書には情報源が明記されていません。
ネットで調べてみると、育児・介護を行う労働者の生活と就業の実態等に関する調査結果概要の中の【個人調査(育児)】の数字であることがわかりました。
しかし、この調査は平成12年1月に行われており、調査対象は「東京・大阪・名古屋の各証券取引所の一部、二部上場企業3,300企業に勤務する小学校卒業までの子を養育する女性労働者9,900人」です。

5.男性の育児休業取得率の低さは少子化の要因?
事業評価書では、問題点として、「我が国の育児休業取得の実態は、特に男性を中心に十分に促進されているとは言い難い状況であり、企業において育児休業制度が整備されていても、利用しにくい職場の雰囲気や収入減の問題があるなど、希望する全ての労働者が育児休業を取得できる環境が整備されていない。」としています。
確かに、男性の育児休業取得率を高めるためには、阻害要因である収入源を補うのは効果的かもしれませんが、少子化対策として有効かどうかは疑問です。

参考資料
厚生労働省 新規事業に関する事業評価書(事前評価書)

関連エントリー
「骨太の方針2006」を読む(5)-新少子化対策
2006年版厚生労働白書を読む(3)-少子化対策
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Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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