nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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2006年版厚生労働白書を読む(7)-介護保険制度改革
2006(平成18)年版厚生労働白書の中から、「第1部第2章第3節 保健医療・生活支援」「第2部第5章第1節 持続可能な介護保険制度の構築と関連施策の推進」を中心に介護保険制度改革の課題をまとめました。
高齢化がピークを迎える2025年に向けて、要介護認定者全体のおよそ半数を要支援・要介護1といった軽度者が占めており、予防重視のシステムへ転換する。要介護者の2人に1人が認知症高齢者であり、認知症や一人暮らしの高齢者も増加すると見込まれおり、認知症対策が重要である。
高齢者が住み慣れた地域での生活を継続できるように、各地域の実情に合わせて、新たな地域密着型サービス、居住系サービスなどを含めた介護サービスの整備を進め、地域包括支援センターを中心とした地域包括ケアシステムを確立する。
最新の情報や資料を随時、追記しています。


1.介護保険の現状
2000年4月に制度スタート後、サービス提供基盤は急速に整備され、サービス利用者数も5年間でスタート当時の約150万人から2005年4月には約330万人と、2倍を超える大きな伸びを見せている。また、国民の評価も高まっており、スタート時(2000年9月)の世論調査では約4割であった制度を評価する声も、2005年1月には6割を超え、国民の老後の安心を支える仕組みとして定着している。
最新資料
※サービス利用者数は、2006年4月には、約350万人となり、要介護状態区分を2005年4月と2006年3月で比較すると、「要支援等」~「要介護2」の受給者が減少しているのに対し、「要介護3」~「要介護5」の受給者は増加しており、全体的に重度化している。
2005(平成17)年度介護給付費実態調査の概況

2.介護保険法等の一部を改正する法律(2005年6月)
(1)予防重視型システム
介護保険スタート後の5年間で、要介護認定、要支援認定を受けた者の数は約218万人から約411万人と2倍近くに伸びているが、特に要支援・要介護1といった軽度者が約2.4倍と大幅に伸びており、要介護認定者全体のおよそ半数を占めている。
1.状態の維持・改善の可能性が高い軽度者に対する給付(予防給付)の内容や提供方法を見直し、介護予防ケアマネジメントは地域包括支援センターが行うこととし、通所系サービスにおいて、運動器の機能向上、栄養改善、口腔機能向上などを新たなメニューとする
2.要支援・要介護になる前の段階から、介護予防に資するサービスを提供する地域支援事業の創設
(1) 介護予防事業
要支援・要介護状態に至る前の高齢者に運動器の機能向上プログラムや栄養改善プログラムなどを提供する
(2) 包括的支援事業
高齢者の心身の状況等を把握し、相談を受け、地域における適切な保健・医療・福祉サービス、機関又は制度の利用につなげる等の支援を行う
(3) 任意事業
地域の実情に応じて市町村が任意で事業を実施する

(2)施設給付
利用者負担の不均衡を是正する等の観点から、施設における居住費・食費について保険給付の対象から外し、在宅の場合と同様に利用者の負担とするとともに、所得に応じた負担の上限額を設ける。

(3)地域密着型サービスと地域包括支援センター
環境の変化への適応が難しい認知症高齢者や、高齢者世帯が今後急速に増加していくことが予想されており、長年住み慣れた地域での生活が維持できるよう、地域密着型サービスを創設。地域密着型サービスについては、市町村が設定する日常生活圏域ごとにサービスの見込量を計画に定め、事業者の指定・指導監督等を行う。
地域での4つの機能(1.総合相談支援、2.虐待の早期発見・防止などの権利擁護、3.包括的・継続的ケマネジメント支援、4.介護予防ケアマネジメント)を担う中核機関として、地域包括支援センターを設置し、保健師、主任ケアマネジャー、社会福祉士などのチームにより介護、医療、健康などの総合的マネジメントを行う。

(4)サービスの質の確保・向上
サービス提供者として多様な主体の参入を認めたことにより、サービス基盤が飛躍的に整備されたが、民間企業やNPO法人を中心に、不適切なサービス提供や介護報酬の不正請求などにより指定取消を受ける悪質な事業者も年々増加している。
1.指定介護サービス事業者に対して、職員体制、施設設備などサービスに関する一定の情報の公表を義務づける。
2.指定の更新制を導入するとともに、過去5年以内に介護保険サービスに関する不正な行為を行った場合など一定の場合は、指定を受けることができないこととする。
3.ケアマネジャーの資質の向上を図るため、資格の更新制を導入するとともに更新時の研修を義務づける。
最新資料  2005(平成17)年介護サービス施設・事業所調査結果の概況

3.被保険者・受給者の範囲(年齢の引下げ)
2006年3月以降「介護保険制度の被保険者・受給者範囲に関する有識者会議」において議論が行われている。
資料  被保険者・受給者の範囲の拡大に関する意見(平成16年12月10日社会保障審議会介護保険部会)PDF

4.高齢者虐待防止対策
2005年11月に「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」が成立。また、地域包括支援センターが、支援を必要とする高齢者の実態把握や虐待への対応など、高齢者の権利擁護や総合相談窓口の業務を円滑に行うことができるよう、マニュアル作成や研修を実施する。

5.介護福祉士制度・社会福祉士制度
2006(平成18)年12月に社会保障審議会福祉部会において、介護福祉士制度及び社会福祉士制度の在り方に関する意見書がとりまとめられました。
介護福祉士及び社会福祉士の養成の在り方中心として、介護福祉士制度及び社会福祉士制度の見直しに早急に取り組むべきとしています。
外国人労働者の受け入れに関しては、2006年9月9日に日本・フィリピン間での経済連携協定(EPA)の署名がなされ、当面2年間で介護福祉士 600人、看護師 400人の受入れ上限の中で秩序立った受入れをしていくことになりました。(参照)
資料  介護福祉士制度及び社会福祉士制度の在り方に関する意見


参考資料
平成18年版 厚生労働白書
厚生労働省ホームページ
介護保険制度改革の概要~介護保険法改正と介護報酬改定~
高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律(2005年11月)PDF

関連エントリー
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2006年版厚生労働白書を読む(1)-年金制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(2)-社会保険庁改革
2006年版厚生労働白書を読む(3)-少子化対策
2006年版厚生労働白書を読む(4)-生活保護制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(5)-医療保険制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(6)-医療提供体制改革
2006年版厚生労働白書を読む(8)-障害者雇用対策

「骨太の方針2006」を読む(2)-社会保障費の歳出・歳入一体改革
「骨太の方針2006」を読む(3)-社会保障改革
2007(平成19)年度認知症対策等総合支援
2007(平成19)年度予算編成の社会保障費(2)-医療・介護・年金・児童手当
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赤澤 波

Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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