nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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2006年版厚生労働白書を読む(6)-医療提供体制改革
2006(平成18)年版厚生労働白書の中から、「第1部第2章第3節 保健医療・生活支援」「第2部第8章1節 安全・安心で質の高い医療提供体制の充実」を中心に医療提供体制改革の課題をまとめました。
医師数は一貫して増加傾向にあり、人口10万人当たりの医師数は、2004年現在、約211.7人であり、2022年に需要と供給が均衡し、マクロ的には必要な医師数は供給される。
しかし、人口10万人当たり280人を超えている県がある一方で、180人を下回っている県もあり、都道府県間の医師数のばらつきが生じている。また、へき地等の特定の地域や、小児救急医療や産科医療といった特定の診療科での医師偏在と病院勤務医の厳しい勤務状況についての改善も必要である。
医療提供体制の今後の課題については、2006年7月から厚生労働省医政局の医療施設体系のあり方に関する検討会において議論しています。


1.良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律(2006年6月)
(1)患者・国民の選択の支援に資する医療に関する情報提供
(2)医療計画制度の見直しなどを通じた医療機能の分化・連携
(3)地域や診療科における医師偏在問題への対応
(4)医療安全の確保
(5)医療従事者の資質の向上
(6)医療法人制度改革

2.地域や診療科における医師偏在問題
(1)地域における医師数
人口10万人当たりの医師数は、2004年現在、約211.7人であり、戦後に比べると2倍以上となっている。近年、医師の数は、毎年3,500人から4,000人程度増加しており、2022年に需要と供給が均衡し、マクロ的には必要な医師数は供給される。
いずれの都道府県においても、医師数は増加しているが、徳島県、鳥取県など人口10万人当たり280人を超えている県がある一方で、180人を下回っている県もあり、都道府県間の医師数のばらつきが生じている。

(2)診療科における医師数
病院への休日・夜間の患者の集中、頻回な当直を含む厳しい勤務状況や医療紛争の増加による安全確保に向けた配慮、これまで大学医局が果たしてきた地域への医師派遣調整機能の低下等を背景として、小児救急医療、産科医療など特定の診療科領域において、病院勤務医師を中心に医師の不足感が生じている。
小児科医は、1994年からの10年間で1,300人程度増加しており、15歳未満人口1万人当たりでも、一貫して増加しているが、幅広く初期診療を実施する医師の減少や保護者の大病院指向などにより、軽症者を含む多くの小児患者が 休日、夜間に病院へ集中し、これによって、病院勤務の小児科医師への負担が増大するなど様々な問題が生じている。産婦人科医は、1994年からの10年間で900人程度減少しているものの、出生1,000人当たりでは概ね横ばいであるが、病院勤務医に関しては、その不足感や厳しい労働が深刻な状況である。

3.医療確保総合対策
地域や診療科における医師の偏在問題に対応するためには、限られた医療資源を効率的に活用できるよう、各都道府県において、医療機能の集約化・重点化等の検討を行い、地域全体として適切な医療を提供できる体制を構築することが必要である。

(1) 医療法
都道府県が地域の大学病院、公的医療機関、臨床研修指定病院、地域の医師会といった医療関係者と医師確保の具体策について協議を行う場である医療対策協議会を位置づける。また、公的医療機関、病院等の開設者・管理者、医師などの医療従事者について、それぞれ医師確保等の施策に協力すべき責務を位置づける。

(3)救急医療等確保事業
へき地医療、小児救急医療、周産期医療など地域において特に確保の必要性の高い医療については、救急医療等確保事業として都道府県の医療計画に位置づけ、住民に身近な開業医の方々にも協力を求めながら、地域における医療連携体制を構築する。

最新資料 【2007(平成19)年度新規事業】
へき地巡回診療ヘリ運営
通常の交通手段では短期間で十分な巡回診療が難しい外海離島群等における無医地区等に対し、ヘリコプターによる巡回診療を行う。

地域医療確保支援モデル事業
都道府県が独自に創意工夫を凝らして実施する先駆的な取組で、へき地など地域医療の確保を図るために実施するモデル事業に対する補助を行う。

小児科・産科をはじめ急性期の医療をチームで担う拠点病院づくり
小児科・産科における医療資源の有効活用を図り、医療連携を図った拠点病院の創設を促進し、地域住民に対する適切な医療の提供を行う。

1.小児科・産科連携病院等病床削減促進
小児科・産科において、医療連携を図った拠点病院づくりを行う地域を対象に、連携強化病院(病院診療機能を集約化・重点化した小児医療又は産科医療を担う)へ一定の機能を移転する連携病院(連携強化病院へ必要に応じて一定の機能を移転し、連携体制を構築)が、小児科・産科の病床を削減し、医療機能の変更(他科病床、他の診療機能等)などを行う場合に、その支援を図るための運営費補助を行う。

2.小児科医師等確保事業
小児科等において、医療連携を図った拠点病院づくりを行ってもなお、地域における小児科医等の確保が困難な地域等を対象に、医師派遣を実施した場合に補助を行う。

(4)小児救急医療
すべての小児救急医療圏において、24時間の受診体制を確立することを目指しており、地方公共団体や地域の医師会が中心となって運営する休日夜間急患センター、当番制により小児救急対応が可能な病院を確保する「小児救急医療支援事業」、広域的な対応を行うための「小児救急医療拠点病院」の整備により、全国的な体制の整備に取り組むとともに、既存の救命救急センターに重篤な小児救急患者を専門的に受け入れる体制の整備を進める。
また、保護者の育児の経験不足による小児の病気やけがに対する不安に対応するなどのため、全国共通番号(#8000)で保護者が夜間などに小児救急医療等について相談ができる窓口(小児救急電話相談事業)を都道府県が設置するとともに、小児の急病時の対応等について保護者への啓発を行う。
資料 小児救急医療電話相談(#8000)

(5)診療報酬の重点的評価
平成18年度診療報酬改定においては、小児救急医療やハイリスクの産科医療についての重点的評価を行う。

(6)女性医師バンク
近年女性医師が増加し、医療現場で大きな役割を果たしてきていることに対応し、2006年度に女性医師バンクの設立をするなど、女性医師の就労支援を推進する。

医療施設体系のあり方に関する検討会の議論
1.地域医療支援病院制度全般
2.特定機能病院制度のあり方
3.医療法施行規則の「病院における外来患者数に基づく医師数の配置標準」規定の必要性
4.医療計画の見直し等を通じた医療機能の分化連携におけるかかりつけ医に求められる役割や機能のあり方、医療連携体制の構築の中での救急医療等確確保事業に必要な医師の確保方策
検討会資料  地域医療支援病院制度


参考資料
平成18年版 厚生労働白書
良質な医療を提供する体制の確立を図るための医療法等の一部を改正する法律(2006年6月)
新医師確保総合対策(2006年8月)PDF
新たな医師臨床研修制度(厚生労働省ホームページ)
厚生労働省 新規事業に関する事業評価書

関連エントリー
厚生労働白書2006解説
2006年版厚生労働白書を読む(1)-年金制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(2)-社会保険庁改革
2006年版厚生労働白書を読む(3)-少子化対策
2006年版厚生労働白書を読む(4)-生活保護制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(5)-医療保険制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(7)-介護保険制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(8)-障害者雇用対策

「骨太の方針2006」を読む(2)-社会保障費の歳出・歳入一体改革
「骨太の方針2006」を読む(3)-社会保障改革

参考サイト
新小児科医のつぶやき(小児医療の現場情報が豊富です)
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Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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