nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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2006年版厚生労働白書を読む(5)-医療保険制度改革
2006(平成18)年版厚生労働白書の中から、「第1部第2章第3節 保健医療・生活支援」「第2部第8章第3節 安定的で持続可能な医療保険制度運営」を中心に医療制度改革の課題をまとめました。
医療保険制度は、国民皆保険制度を堅持し、将来にわたり持続可能なものとしていくため、抜本的な改革が必要であり、1.医療費適正化の総合的な推進、2.新たな高齢者医療制度の創設、3.道府県単位を軸とした保険者の再編・統合の3本柱からなる健康保険法等の一部を改正する法律が2006年に成立した。
今般の改革においては、国民生活の質(QOL)を確保・向上する形で医療そのものを効率化し、医療費の伸びを徐々に下げていくことにより、医療費の適正化を図ることとし、国及び都道府県が協力して策定する医療費適正化計画によって推進する。


1.医療費の動向
国民医療費は経済(国民所得)を上回る伸びを示している。介護保険制度が施行され、医療の一部が介護に移行した2000年度を除いて、患者一部負担の引き上げや診療報酬のマイナス改定を行った年以外は、医療費は毎年約1兆円(3~4%)にのぼる増加を示しており、2003年度の国民医療費は31.5兆円となっている。
最新資料
※2004年度の国民医療費は32.1兆円となっている。
2004(平成16)年度国民医療費の概況

2.平成18年度医療制度構造改革
(1)医療制度構造改革試案(2005年10月)
1.予防重視と医療の質の向上・効率化のための新たな取組
2.医療費適正化に向けた総合的な対策
3.都道府県単位を軸とする医療保険者の再編統合等
4.新たな高齢者医療制度の創設

(2)医療制度改革大綱(2005年12月)
安心・信頼の医療の確保と予防の重視、医療費適正化の総合的な推進、超高齢社会を展望した医療保険制度体系の実現という医療制度構造改革の骨格が決定された。

(3)健康保険法等の一部を改正する法律(2006年6月)
1.医療費適正化の総合的な推進
(1) 医療費適正化計画の策定【2008年4月】
(2) 保険者に対する一定の予防健診等の義務付け【2008年4月】
(3) 保険給付の内容・範囲の見直し等
現役並みの所得がある高齢者の患者負担を2割から3割に引き上げ【2008年10月】
療養病床に入院する高齢者の食費・居住費の負担を見直し【2008年10月】
傷病手当金・出産手当金の支給率等を見直し【2007年4月】
70歳から74歳までの高齢者の患者負担を1割から2割に引き上げ【2008年4月】
乳幼児に対する患者負担軽減(2割負担)の対象年齢を3歳未満から義務教育就学前まで拡大【2008年4月】
(4) 介護療養型医療施設の廃止【2012年4月】

2.新たな高齢者医療制度の創設
(1) 後期高齢者医療制度の創設【2008年4月】
(2) 前期高齢者の医療費に係る財政調整制度の創設【2008年4月】

最新資料
※2008(平成20)年4月から後期高齢者診療報酬が施行されますが、2006年10月より社会保障審議会後期高齢者医療の在り方に関する特別部会で議論が行われています。
スケジュール
2007(平成19)年3月  後期高齢者の新たな診療報酬体系の基本的考え方取りまとめ
2007(平成19)年夏~秋 後期高齢者の新たな診療報酬体系の骨格を取りまとめ
2007(平成19)年秋   中医協において「骨格」に沿って具体的な診療報酬について審議
後期高齢者医療制度の概要PDF
現行の診療報酬体系PDF
後期高齢者医療についてPDF

3.保険者の再編・統合
(1) 国保の財政基盤強化
国保財政基盤強化策(高額医療費共同事業等)の継続【2006年4月から適用】
保険財政共同安定化事業の創設【2006年10月】
(2) 政管健保の公法人化【2008年10月】
(3) 地域型健保組合【2008年10月】

4.その他
保険診療と保険外診療との併用について、将来的な保険導入のための評価を行うかどうかの観点から再構成【2006年10月】
中医協の委員構成の見直し、団体推薦規定の廃止等所要の見直しを実施【2007年3月】
70歳未満の者の入院に係る高額療養費の現物給付【2007年4月】(参照

資料 医療保険制度改正のポイント

3.平成18年度診療報酬改定
(1)平成18年度診療報酬改定
「平成18年度診療報酬改定の基本方針(2005年11月)」では、小児科・産科・麻酔科や救急医療等の医療の質の確保への配慮や、急性期医療の実態に即した看護配置を適切に評価した改定を行う。慢性期入院医療等の効率化の余地があると思われる領域について、適正化を図ることなど、メリハリをつけた改定を行う。薬剤・保険医療材料価格については、市場実勢価格を踏まえ、引き下げを行う。画期的新薬の適正な評価を行う一方、後発品の状況等を勘案した先発品の薬価引き下げを行う。後発品の使用促進のための処方せん様式の変更を行う等が決定された。
改定率については、平成18年度予算編成過程において、診療報酬本体で▲1.36%、薬価について▲1.8%、合計で▲3.16%と決定された。
1.患者から見て分かりやすく、患者の生活の質(QOL)を高める医療を実現
2.質の高い医療を効率的に提供するために医療機能の分化・連携を推進
3.医療の中で今後重点的に対応していくべきと思われる領域について検討
4.医療費の配分の中で効率化余地があると思われる領域について検討
資料 2006(平成18)年度診療報酬改定通達類

(2)混合診療
保険導入のための評価を行う「評価療養」と、保険導入を前提としない「選定療養」とに再構成する。この仕組みは、保険導入前であっても、保険診療との併用により、患者が新しい医療技術による治療を早期に少ない負担で利用することを可能とする。
評価療養は、有効性・安全性のほか、普及性、効率性、技術的成熟度等の観点から適当と認められるものについて保険適用の対象とする。
資料 いわゆる混合診療問題について   先進医療の概要


参考資料
平成18年版 厚生労働白書
厚生労働省ホームページ
医療制度構造改革試案(2005年10月)
医療制度改革大綱(2005年12月)PDF
健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年(2006年)6月21日法律第83号)
平成18年度診療報酬改定の基本方針(2005年11月)

関連エントリー
全国健康保険協会の設立-医療制度改革

厚生労働白書2006解説
2006年版厚生労働白書を読む(1)-年金制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(2)-社会保険庁改革
2006年版厚生労働白書を読む(3)-少子化対策
2006年版厚生労働白書を読む(4)-生活保護制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(6)-医療提供体制改革
2006年版厚生労働白書を読む(7)-介護保険制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(8)-障害者雇用対策

「骨太の方針2006」を読む(2)-社会保障費の歳出・歳入一体改革
「骨太の方針2006」を読む(3)-社会保障改革
2007(平成19)年度予算編成の社会保障費(2)-医療・介護・年金・児童手当

新健康フロンティア戦略策定
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Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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