nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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2006年版厚生労働白書を読む(3)-少子化対策
2006(平成18)年版厚生労働白書の中から「第1部第2章第3節 保健医療・生活支援」「第2部第2章第1節 次世代育成支援対策」を中心に少子化対策の課題をまとめました。
なお、「新しい少子化対策について」を踏まえた2007(平成19)年度の事業内容に関しても追記しています。
2005年の合計特殊出生率は、急速な少子化の進行により、前年の1.29をさらに下回る1.25となり、日本は人口減社会に入りました。出生率低下の要因は、未婚化・晩婚化の進行夫婦出生児数の減少である。
2007年1月26日、社会保障審議会人口構造変化部会は、仮定人口試算(国民の結婚や出産に関する希望がかなった場合の人口試算)の結果を受けて、若者の正規雇用の促進、育児休業拡充など子育てしやすい就業環境の整備長時間労働の解消などによって、結婚と第2子までの出産を増やす政策に重点を置くべきとする報告書をまとめました。報告書は政府が新設する「少子化対策重点戦略検討会議」に提出されます。(参照


1.急速な少子化の進行の背景
出生率低下の要因は、未婚化・晩婚化の進行と夫婦出生児数の減少である。未婚率は男女とも依然上昇傾向にある。また、結婚した夫婦からの出生児数も1990年代以降減少傾向にあり、1960年代生まれ以降の世代では、これまでのように最終的な夫婦出生児数が2人に達しない可能性もある。
(1)少子化進行の背景
・長時間労働の風潮が根強いなど、働き方の見直しに関する取組みが進んでいない
・保育所待機児童がいまだ存在するなど、子育て支援サービスがどこでも十分に行き渡っている状況にはなっていない
・若者が社会的・経済的に自立し、家庭を築くことが難しい状況となっている

2.仕事と家庭の両立と働き方の見直し
(1)育児休業制度等
育児休業・介護休業制度、子の看護のための休暇制度、時間外労働の制限の制度、深夜業の制限の制度、勤務時間短縮等の措置を講ずる義務などを規定する。
資料 育児休業制度の実施状況(平成17年度女性雇用管理基本調査) 男女雇用機会均等法改正(2007(平成19)年4月より)

(2)仕事と家庭の両立支援
(1) 一般事業主行動計画
次世代育成支援対策推進法に基づき、企業等において、仕事と子育ての両立を図るために必要な雇用環境の整備等に関する一般事業主行動計画の策定・実施が適切に行われるよう、周知啓発等を行う。
企業に対し、各種助成金の支給により、その取組みを支援する。
資料 両立支援のひろば
男性も育児参加できるワーク・ライフ・バランス企業へ(ポイント)
男性も育児参加できるワーク・ライフ・バランス企業へ(概要)

(3)再就職・再就業支援
出産を機に子育てのために退職するケースが多く、12 歳未満の子どもを持ちながら求職活動を行っている女性が全国に約70 万人。就業を希望していながら求職活動を行っていない者も約180 万人。(就業構造基本調査より)

(1) 再チャレンジサポートプログラム
育児・介護等のために退職し、将来再就職を希望する者に対し、セミナーの実施、情報提供等の援助を行うほか、2004年度からは、再就職のための計画的な取組みが行えるようきめ細かい支援を行う。

(2) マザーズハローワーク
子ども連れでも来所しやすいスペースを整備しつつ、総合的な再就職支援をする。
資料 マザーズハローワークサービスを全国展開します!
マザーズハローワークが設置されていない36県の中核となる都市のハローワークにマザーズサロンを設置し、子育て女性に対する再就職支援を充実させる。【2007(平成19)年度新規事業】 

(3) 女性の起業
総合的情報提供を行う専用サイトやメンター(先輩の助言者)紹介サービス事業を実施し、子育てする女性の起業に着目した助成制度を設ける。
資料 女性と起業(女性と仕事の未来館ホームページ)

3.地域の子育て支援
(1)つどいの広場と子育て支援センター
8割以上が家庭で育児されている3歳未満の子どもをもつ女性の中には、社会からの孤立感や疎外感をもつ者も少なくない。
こんにちは赤ちゃん事業【2007(平成19)年度新規事業】として、生後4ヶ月までの全戸訪問を実施。
「子ども・子育て応援プラン」は、現行プランの目標を改め、つどいの広場や地域子育て支援センターなど、地域における子育て支援の拠点の整備を2007(平成19)年度に6,000ヶ所(全国の中学校区の約6割に相当)、2009(平成21)年度までに10,000ヶ所で実施する。(2006年9月最新情報
「つどいの広場全国連絡協議会」が、各種セミナーの共催等の活動を行っている。各種団体と連携のもと、子育てNPO指導者や子育てサークルリーダーの研修等も開催されている。
資料 つどいの広場全国連絡協議会 子育て支援センター(子育てサークル支援、育児相談)

(2)ファミリー・サポート・センター
乳幼児や小学生の児童を有する子育て中の労働者や主婦等を会員として、送迎や放課後の預かり等の相互援助活動を行うファミリー・サポート・センターの拡大を図る。

(3)放課後子どもプラン【2007(平成19)年度新規事業】
「放課後児童クラブ」と文部科学省が実施するすべての子どもを対象とした「放課後子ども教室推進事業」を一体的あるいは連携して実施する「放課後子どもプラン」を創設し、原則としてすべての小学校区で放課後の子どもの安全で健やかな活動場所の確保を図る。
この中で地域の大人(教職を目指す大学生や退職教員等)の協力を得て、学ぶ意欲のある子どもたちに対する学習機会の提供を含む様々な活動の機会を提供する。また、引き続き障害児の参加に配慮する。
資料 2007(平成19)年度放課後子どもプランの概要

4.保育
(1)保育所入所児童の状況
2005年4月現在、施設数は約2万2,570か所、入所児童数は約199万人となっているが、保育所入所待機児童は、全国で2万3,338人にのぼっている。
最新資料
※2006年4月現在施設数は約2万2,700か所、入所児童数は約200万人となっているが、保育所入所待機児童は、全国で約1万9,800人であり、前年同月と比較して約3千500人減少している。
2006(平成18)年4月1日現在の保育所の状況

(2)多様な保育需要に対応
「子ども・子育て応援プラン」では、保育サービスの充実を引き続き最重点課題の一つと位置づけている。待機児童数が50人以上いる市町村を中心に、2007年度までの3年間で集中的に受け入れ児童数の増大、延長保育や休日保育、病児・病後児保育などの多様な保育サービスについてその充実を図る。
2004年度から実施してきた特例措置のうち、保育所の保育室において一定の条件の下で保育所児と幼稚園児を合同で保育することの容認、保育の実施に係る事務の教育委員会への委任、幼稚園と保育所の保育室の共用化の特例については全国化を図った。

(3)就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(2006年6月)
(1) 認定こども園  
すべての子育て家庭を対象に、就学前の子どもに教育・保育を一体的に行う機能と地域における子育て支援を行う機能を備える施設について、都道府県知事が認定する。
職員配置等の具体的な認定基準も、地域の実情に応じた柔軟な対応が可能となる。
幼稚園と保育所とが一体的に設置される認定こども園については、その幼稚園及び保育所の設置者が学校法人又は社会福祉法人のいずれである場合にも、児童福祉法及び私立学校振興助成法に基づく助成を受けることができる。
資料 認定こども園(パンフレット)  認定こども園とは?(幼保連ホームページ)
認定こども園(就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律)の概要【2006(平成18)年10月施行】
 
5.児童手当の改正
支給対象児は、約940万人から約1,310万人へと約370万人増加
(1)支給対象年齢を小学校第3学年修了前から小学校修了前までに引き上げる
(2)所得制限を緩和し、支給率をおおむね85%からおおむね90%に引き上げる(夫婦と児童2人のサラリーマン世帯で、年収780万円から860万円に引き上げ)
(3)公費部分の費用負担割合を国3分の2、地方3分の1から国3分の1、地方3分の2へ変更
資料 児童手当制度

乳幼児加算の創設【2007(平成19)年4月】
3歳未満の児童に対する児童手当の月額を一律1万円に増額

6.出産・乳幼児医療
(1)出産育児一時金の引上げ
30万円から35万円に引き上げ【2006(平成18)年10月】
(2)乳幼児に対する自己負担軽減
2割負担の対象者を3歳未満から義務教育就学前に拡大【2008(平成20)年4月】
(3)不妊治療に対する支援
体外受精・顕微授精を対象に年度10万・通算5年としている現行制度を「年度20万」に拡大し、所得制限を緩和する。【2007(平成19)年度】
資料 不妊に悩む夫婦への支援について


参考資料
平成18年版 厚生労働白書
新しい少子化対策についてPDF
女性の再チャレンジ支援プラン(本文)PDF
子ども・子育て応援プラン

最新資料
少子化と男女共同参画に関する専門調査会報告書2006(平成18)年9月

参考サイト
少子化対策(内閣府ホームページ)
子育て支援(厚生労働省ホームページ)
次世代育成支援対策(厚生労働省ホームページ)
子どもの居場所作り(文部科学省ホームページ)
少子化情報(国立社会保障・人口問題研究所ホームページ)
女性の再チャレンジ支援(首相官邸ホームページ)

関連エントリー
厚生労働白書解説
2006年版厚生労働白書を読む(1)-年金制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(2)-社会保険庁改革
2006年版厚生労働白書を読む(4)-生活保護制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(5)-医療保険制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(6)-医療提供体制改革
2006年版厚生労働白書を読む(7)-介護保険制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(8)-障害者雇用対策

「骨太の方針2006」を読む(5)-新少子化対策
2007(平成19)年度予算編成の社会保障費(2)-医療・介護・年金・児童手当
認定こども園が2006(平成18)年10月スタート
育児休業中の所得保障の拡充は、少子化対策になるのか?
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テーマ:少子化問題 - ジャンル:政治・経済

この記事に対するコメント
ためになります
自分も子供をほしがる年代なので、人ごとではない感じです。
少子化対策が良い方向にいってくれるといいのですが。
【2006/09/26 16:53】 URL | ともーん #VimvCEU. [ 編集]


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Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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