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社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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2006年版厚生労働白書を読む(2)-社会保険庁改革
2006年版(平成18年版)厚生労働白書の「第2部第5章第4節 安定的で効率的な年金制度の運営の確保」「第2部第11章第7節 厚生労働行政に対する信頼回復に向けた取組み」を中心に社会保険庁改革の課題についてまとめました。
年金保険料無駄遣いや個人情報の業務外閲覧、年金保険料不正免除等の不祥事は、国民の社会保険制度に対する不信を招き、信頼回復に向けて社会保険庁の組織改革、業務改革、職員の意識改革が求められている。
社会保険庁改革は、2006年12月、年金制度の運営を再構築し、 国民の信頼を回復するために解体・廃止し、その機能を6分割(厚生労働省、日本年金機構、民間委託、地方厚生局、全国健康保険協会及び国税庁)することに決まりました。
年金の財政責任・管理責任は国が担う一方、その運営業務は新たな非公務員型の公法人日本年金機構を設立し担わせるとともに、第三者機関により業務を振り分けし、民間へのアウトソーシングを積極的に進めるほか、特に悪質な滞納者については、国税庁に委託して強制徴収を行います。国や公的新法人の組織人員は必要最小限とし、一層の合理化・効率化を図ります。詳しくは→こちら。


1.組織改革
政管健保の運営については、2008年10月に「全国健康保険協会」(公法人)を設立し、公的年金の運営については、国の責任の下に、確実な保険料の収納と給付を確保するため、「ねんきん事業機構」2010年1月に「日本年金機構」(公法人)を設立し、社会保険庁を廃止する。国は、公的年金に係る財政責任・管理運営責任を担う。

(1)外部人材の参画
ねんきん事業日本年金機構の運営に関する重要事項を審議する「年金運営会議」や同機構の財務・業務・個人情報管理に関する内部監査を実施する「特別監査官」に外部専門家を登用し、意思決定機能・監査機能について、国民の意向を反映しつつ、抜本的な強化を図る。

(2)大幅な人員削減
(1) 定型的業務の外部委託や市場化テストによる外部委託の拡大、システムの刷新等による業務そのものの削減、業務の広域的な集約化等による合理化

(2) 年金保険料の徴収体制への人員シフトを図りながら、2006年度から2012年度までの7年間に、「全国健康保険協会」への移行分を含めて、2005年度の人員数に比較して、常勤公務員職員の定員を20%以上、常勤及び非常勤あわせて1万人程度を純減

(3)民間企業的な人事・処遇の導入
職員の能力・実績の評価を任用・給与に活用する新人事評価を一定職以上の職員については2006年度から、その他の職員については2007年度から実施する。

(4)地方組織の抜本改革
2008年10月2010年1月の新組織の発足に併せて、都道府県ごとの社会保険事務局を廃止した上で、ブロック単位の「地方年金局」機関とその下に「年金事務所」を設置する。

(5)国民の意向を反映するための体制整備
国民の意向を事業運営に反映させるため、年金受給者や保険料負担者によって構成される「運営評議会」及び「地域運営評議会」を設置する。

2.業務改革
行政サービスのトップランナーを目指し、国民サービスの向上、保険料集能率の向上、予算執行の無駄の排除、個人情報保護を徹底する。
(1)「緊急対応プログラム」(2004年11月)及び「業務改革プログラム」(2005年9月)
(1) サービスの向上
毎週月曜日における年金相談時間の延長、毎月第2土曜日における休日年金相談の実施、全国共通の電話番号による年金相談サービス(ねんきんダイヤル)の実施、年金裁定請求書の事前送付、年金見込額試算の対象年齢の引き下げ(55歳以上から50歳以上)、インターネットを活用した年金個人情報の提供

(2)保険料収納対策の強化
コンビニ・インターネットバンキング等による保険料を納めやすい環境づくり、市町村から提供される所得情報を活用した強制徴収・免除勧奨の徹底
資料 2005(平成17)年度国民年金納付・加入状況

(3) 合理化
年金福祉施設等の整理合理化、調達案件の厳格な審査を行う調達委員会の設置等による経費の徹底した削減・合理化

(4) 個人情報保護の徹底 
職員による年金個人情報の業務目的外閲覧行為を根絶するための調査確認システムの整備

(2)国民年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案(20062007年通常国会に提出され継続審議中
(1) サービスの向上 
住民基本台帳ネットワークから被保険者情報を取得することにより、未加入者への加入勧奨を充実させ、被保険者等の氏名・住所変更等の届出を省略する

(2) 保険料収納対策
クレジットカードによる保険料納付ができる
大学等が学生納付特例申請代行できる仕組みを導入する
未納者に対し短期の国民健康保険被保険者証を交付し、市町村の窓口で保険料を納付できるようにする
社会保険に密接に関わる事業者(保険医療機関、介護保険事業者、社会保険労務士等)が長期未納の場合には、当該事業者の指定等やその更新を認めない

(3) その他
年金事務費について保険料を充当できることを恒久化する
年金福祉施設の設置等の根拠規定の廃止する
年金相談等の年金給付に関連する事業の規定の整備

3.職員の意識改革
全国の社会保険事務所において、国民年金保険料の免除等に係る事務処理について、法令等に定める手続に反する多くの事例があったこと等が明らかになり、職員に対する処分が行われた。法令に則した業務執行と職員の意識改革を徹底する。
(1)調査報告書の公表
2006年5月29日に「第1次調査報告書」を、6月13日に「第2次調査報告書」をそれぞれ公表した上で、徹底的に全容を解明するため、249名の職員からなる実態解明チームを全国の社会保険事務局に派遣した。
7月6日、2005年度の国民年金保険料の申請免除及び若年者納付猶予の申請書等の全件を確認し、不適正な事例の有無等について調査した「全件調査」の結果をとりまとめた。
8月3日、「全件調査」の結果等に加え、今回の問題発生の構造的背景や再発防止策等を掲げた「第3次調査報告書」を取りまとめ公表した。

(2)調査結果の検証
「社会保険庁国年保険料免除問題に関する検証委員会」を2006年6月6日より開催し、社会保険庁による調査の検証等を行い、8月3日、報告書が取りまとめ公表し、職員に対する厳正な処分を行った。

(3)法令に則した業務執行
法令遵守意識の徹底、事務処理のチェックシステムの整備、監査部門の機能強化、ガバナンス強化に向けた体制整備及び業務執行ルールの確立をする。

参考資料
平成18年版 厚生労働白書
国民年金保険料の免除等に係る事務処理に関する調査結果等について

関連エントリー
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サービス向上・年金未納対策-社会保険庁改革法案
社会保険庁廃止の要因(1)-カワグチ技研収賄事件
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社会保険庁廃止の要因(3)-組織体質

厚生労働白書2006解説
2006年版厚生労働白書を読む(1)-年金制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(3)-少子化対策
2006年版厚生労働白書を読む(4)-生活保護制度改革
2006年版厚生労働白書を読む(5)-医療保険制度改革
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2006年版厚生労働白書を読む(8)-障害者雇用対策
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テーマ:年金 - ジャンル:政治・経済

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Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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