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社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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2006年版経済財政白書を読む(5)-若年者雇用政策
2006年版(平成18年版)経済財政白書の「第3章第4節 家計部門の環境変化と政策の対応」を若年者雇用対策中心にまとめました。
若年層の雇用情勢には厳しいものがあり、非正規雇用から正規雇用への転換を容易にするような対応や、職業教育訓練などの積極的な雇用政策による支援が必要である。「若者の自立・挑戦のためのアクションプラン」においては、フリーターの正規雇用登用に取り組む企業の拡大を図る。また、「再チャレンジ推進会議」において盛り込まれた施策の展開も期待されている。

第4節 家計部門の環境変化と政策の対応

1 雇用形態の多様化への対応
現在行われている正規雇用等フルタイム雇用者への登用の仕組みとしては、トライアル雇用参照)や紹介予定派遣がある。
トライアル雇用について、若年を対象とした実績をみると、2005年度において、フルタイム雇用者に3.5万人移行しており、移行率が80%となっている。紹介予定派遣については、厚生労働省の労働者派遣事業報告の集計結果によれば、2004年度において紹介予定派遣で職業紹介を経て直接雇用に結びついた労働者数は約1万人にのぼったところである。
2006年1月に改定された若者の自立・挑戦のためのアクションプラン参照)においては、経済団体の協力によるモデル事業の推進等により、フリーターの正規雇用登用に取り組む企業の拡大を図るとしている。
その他、ハローワークによる職業紹介において、正規雇用者の求人の確保に重点を置いた求人開拓を推進するとともに、未充足である非正規雇用者としての求人について、可能な限り正規雇用の求人となるような求人条件の変更の働きかけも行われている。
今後の展開としては、2006年5月再チャレンジ推進会議の「中間とりまとめ」において盛り込まれた施策(参照)の展開が期待される。
正規雇用採用を新卒者以外にも門戸を広げるよう、企業への情報提供や働きかけを行うことや、企業内で非正規雇用者を正規雇用者へ登用していく仕組み等の整備に併せ、そのために必要な実践的能力開発を行うことによりキャリアアップを図る仕組みを講ずる企業に対して支援を行うといった施策に取り組むこととされている。

2 厳しい若年雇用情勢への対応
欧州諸国は、90年代後半に、若年雇用政策をそれまでの失業給付等の「受動的雇用政策」から職業教育訓練等による「積極的雇用政策」へ転換したことによって、若年雇用情勢を緩和させた。

欧州の雇用政策
1.学校教育段階における若年者の職業教育訓練を重視する。
学生時代から職業技能や職業意識の養成をはじめることによって、将来の労働市場参入への準備をさせようとするものである。
2.失業期間が長期化しないように、若年失業者や無業者に対して、就業経験を促す。
失業給付を受給する若年失業者に対し、一定の就労等のプログラムに参加しなければ、給付を削減・停止する。また、職業教育訓練と組み合わせることにより、職場体験や就業経験の付加価値を高め、積極的な職探しを促す。
3.相談員を個々の若年者に配置し、個々の状況に応じたきめ細かな対応を行う。
様々な若年者に対し、相談員がそれぞれの必要性に応じたメニューを提示し、職業教育訓練、就職計画を立てて、実行していく。

現在実施されている、若者の自立・挑戦のためのアクションプランを欧州諸国の施策の類型別に整理してみる。
1.若年時からのキャリア形成
キャリア探索プログラムジュニアインターンシップ等の小中高校生向けの職業意識形成支援事業について、ハローワークと学校、産業界が連携して推進している。
座学と一定期間の実習を組み合わせる実践型人材養成システム参照)を就労と就学双方の要素を併せ持った「第三の選択肢」として普及、定着させる。
さらに、大学及び大学生等と産業界との密接な連携を推進し、学生や企業の若手人材が理論的知識や能力を実務に応用できるよう、高度・専門的な人材育成を推進している。

2.就業促進
日本版デュアルシステム参照)という企業実習と座学を連結させた職業教育訓練やトライアル雇用を実施している。ニート対策についても、働く意欲や能力の向上に向けたきめ細かい支援や、「学び直し」の機会の提供といった対策が行われている。

3.個別的な就職支援
都道府県が地域の企業や学校と連携協力の下、雇用関連サービスをワンストップで行うジョブカフェ参照)による就職支援。

【2007(平成19)年度 ジョブカフェ支援追加】
(1) 若年労働者の職場定着促進に関する支援の実施
ジョブカフェにおいて、若年労働者を対象とした継続就業の動機付けに資する講習・相互交流の機会を提供する。
(2) ジョブカフェ相互の連携強化に対する支援
首都圏や近畿圏など同一の経済圏において、産業構造などが異なる各地域が、それぞれの特性を活かしつつ相互連携を図る「ジョブカフェネットワーク事業」を創設する。
ハローワークに若年者ジョブサポーターを配置し、新規学卒者等に対する就職支援。
地域においても、地域若者サポートステーション参照)を設置し、若者のおかれた状況に応じた専門的な相談を行う。
【2007(平成19)年度 若者と中小企業とのネットワーク構築支援拡大】
若者の就業対策と中小企業の人材確保対策を促進するため、ジョブカフェや地域の教育機関等と連携しながら、若者と地元中小企業との相互理解を促進するモデル事業を支援する。

 
参考資料
平成18年度 年次経済財政報告
第3章第4節 家計部門の環境変化と政策の対応

若年者雇用対策サイト
若者の再チャレンジ支援(首相官邸ホームページ)
厚生労働省ホームページ
若者自立・挑戦プラン(内閣府)
若者自立・挑戦プラン(厚生労働省)
若者自立・挑戦プラン(文部科学省)
若者自立・挑戦プラン(経済産業省)

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2006年版経済財政白書を読む(2)-就業形態の多様化と非正規雇用者の拡大
2006年版経済財政白書を読む(3)-職業教育訓練の課題
2006年版経済財政白書を読む(4)-経済格差(所得・消費・資産)の状況

2006年版労働経済白書を読む(1)~(5)-格差社会と労働政策  
2006年度・2007年度若年者雇用対策最新の情報・資料が豊富です

経済財政運営の中期方針(2007年~2011年)解説
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Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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