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社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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2006年版労働経済白書を読む(5)-労働政策の課題
就業形態の多様化が進展するもとで、労働者一人一人の働き方に違いが生まれているが、人々の持つ多様な個性を、経済、社会の持続的な発展に向けた原動力として積極的に活かしていくことが、我が国社会全体にとってますます重要な課題となっている。
労働政策は、こうした観点から、1.公正な処遇が確保され誰もが安心して働くことができる労働環境の整備、2.格差の固定化を招かないための職業能力開発の充実、3.自立した職業生活を営むための若年者の社会的支援の3つの主要課題に積極的に取り組んでいくことが求められる。
2007(平成19)年通常国会提出の労働法制改革法案を追記しています。
法案提出を巡る政治の動きはこちらでわかります。→nami社会保障通信ブックマーク / 政治 / 労働


労働政策の課題

1.公正な処遇が確保され誰もが安心して働くことができる労働環境の整備
多様な働き方のもとで公正な処遇を確保し、誰もが安心して働くことができるよう、有期労働契約をめぐるルールの明確化、パート労働者の正規雇用との均衡ある処遇、社会保険の適用拡大など、就業形態間の処遇の均衡確保に向け、法的整備を含めた取組みを一層推進していくことが求められる。
企業に対しては、非正規雇用の正規雇用への転換制度や短時間正社員制度の導入、働きに見合った非正規雇用の処遇の確保、非正規雇用における職業能力開発機会の充実などに向けた働きかけを行い、労働者の意欲に積極的に応えていくとともに、賃金コストの削減のみを目的とするような、安易な非正規雇用の活用を是正していくことも重要である。これらに加え、勤労者全体の課題として、長時間労働の抑制など、仕事と生活のバランスのとれた働き方を推進していくことも大切である。

2.格差の固定化を招かないための職業能力開発の充実
今後、職業能力評価システムを充実させていけば、そこにおける賃金格差は、労働者の職業能力水準の格差を示すこととなるものであり、仕事に取組む意欲を継続的に引き出していくためにも、職業能力開発を充実させていくことがますます重要になる。
正規雇用と非正規雇用の間での職業能力開発機会の格差が大きいことを踏まえ、非正規雇用の職業能力開発機会を充実させていくことが求められる。
OJTや企業内訓練など、企業内での人材育成機能を非正規雇用にも積極的に広げていくことにも取組んでいく必要がある。日本型雇用システムのもとで我が国企業が形成してきた人材育成機能は、我が国社会全体の財産であり、この機能をより多くの人々に提供していくことができる社会的な仕組みを充実させていくことも求められる。

3.自立した職業生活を営むための若年者の社会的支援
就業形態の多様化は、労働者の主体的な選択に支えられる必要があるが、若年層では、職務内容や将来の展望について十分な理解がないまま非正規雇用の仕事に就いた者も多く、そのような若年者を正規雇用として積極的に採用しようとする企業は少ない。
企業においては学歴にとらわれない人物本位の採用姿勢が広がっていくよう、フリーターやボランティアの経験を企業の採用評価に反映させる仕組みを整備したり、新規学卒者にとらわれない、いわゆる複線型採用の導入や採用年齢の引き上げなど、我が国企業の採用・人事制度の柔軟化に向け、法的整備も含め、企業への働きかけを強めていくことが求められる。
年長フリーターに対しては、希望する仕事への再挑戦をバックアップするため、キャリア・コンサルティングや職業能力評価を実施するほか、本人の能力を判断するために企業実習を行い、適宜、座学の職業訓練を組み合わせるような取組みなどを推進することが重要である。さらに、若年者の職業的自立に向け、学校、企業、地域、社会が相互に連携し、働くことの理解を深めさせ、若年者が仕事に挑戦し、活躍できる社会を実現するため、広範な支援や取組みを推進していくことも必要である。

4.新しい日本型雇用の創造
「新しい日本型雇用」では、日本型雇用システムの持つ雇用安定と人材育成の機能を活かしながら、一人一人の労働者が個性を活かし、意欲をもって働くことができるよう、労働関係の個別化に対応し、そこに公正な秩序と規律を作り出していくことが求められる。
企業での職業能力評価システムの改善に伴って、労働者は自らの実力を存分に発揮することができるようになり、さらには、中途採用者の実力も適正に評価され、社会全体として実力主義の機運を押し広めていくことにつながっている。今後も、職業能力開発機会の充実に努めるとともに、職業能力の適正な評価を通じて実力主義の企業風土を培うことによって、挑戦する気持ちを持った人が何度でも再挑戦することができる柔軟な雇用システムを目指していくことが、「新しい日本型雇用」の創造にとって、特に重要なものになると考えられる。

参考資料
平成18年版(2006年版)労働経済の分析(要約版)
平成18年版(2006年版) 労働経済の分析(本文版)

最新資料
2007(平成19年)度労働政策の重点項目

※2007年通常国会提出法案
1.最低賃金法
今後の最低賃金制度の在り方について  生活保護と最低賃金
2.労働契約法・労働基準法
労働契約法案要綱及び労働基準法の一部を改正する法律案要綱
3.雇用保険法・労災保険法
雇用保険法等の一部を改正する法律案
労働者災害補償保険法の一部改正関係について
4.雇用対策法・地域雇用開発促進法
雇用対策法及び地域雇用促進法の一部を改正する法律案
5.パートタイム労働法
短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の一部を改正する法律案

関連エントリー
労働経済白書2006解説
2006年版労働経済白書を読む(1)-拡大する非正規雇用
2006年版労働経済白書を読む(2)-製造業の請負労働
2006年版労働経済白書を読む(3)-若年者の職業的自立支援
2006年版労働経済白書を読む(4)-日本型雇用システム

労働市場改革(労働ビッグバン)-2007年通常国会提出8法案
労働市場改革(労働ビッグバン)専門調査会を設置

経済財政運営の中期方針(2007年~2011年)解説
日本経済の進路と戦略 ~新たな「創造と成長」への道筋~(1)
日本経済の進路と戦略 ~新たな「創造と成長」への道筋~(2)
日本経済の進路と戦略 ~新たな「創造と成長」への道筋~(3)
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Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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