nami社会保障通信
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2006年版労働経済白書を読む(1)-拡大する非正規雇用
「第1章労働経済の推移と特徴」を拡大する非正規雇用の実態を中心にまとめました。
景気回復の中で、雇用失業情勢は、厳しさが残るものの、改善に広がりがみられます。完全失業率は低下傾向にあり、賃金や個人消費も緩やかに上昇しています。しかし、景気回復の成果が労働者に一律に配分されるわけではなく、就業形態が多様化するとともに、雇用に占める正規雇用の割合は低下し、賃金制度では業績・成果主義の広がりがみられます。
景気回復は全体として雇用の回復に大きく寄与していますが、それが非正規雇用中心の回復であることや賃金の反映に遅れがみられるなど、残された課題も存在しています。
労働政策審議会の派遣労働(偽装請負含む)の資料を随時、追記しています。


第1章 労働経済の推移と特徴

第1節 雇用・失業の動向
1.雇用失業情勢の改善
2005年の雇用失業情勢は、完全失業率が低下、有効求人倍率は上昇傾向で推移し、就業者数・雇用者数は増加している。また、人手不足感も表れ始め、新規学卒者の就職市場は改善傾向を強めており、若年者の完全失業率は低下している。
しかしながら、若年者の完全失業率が相対的に高水準であり、地域の雇用失業情勢にも改善のテンポに差がみられる。
このように、雇用失業情勢は厳しさが残るものの改善に広がりがみられる。

2.フリーター・ニート数
フリーター数は、2003 年に217 万人まで増加したが、2004 年は214 万人、2005 年は201 万人と2 年連続で減少している。ただし、25 ~ 34 歳層では減少幅が小さく、高止まりしている。
ニート数は、2005 年には64 万人と前年と同水準となったが、年齢階級別にみると、24 歳以下の者は減少している一方で、25 歳以上の者は増加しており、その構成比はより高い年齢階級にそのウェイトを移してきている。

3.拡大する非正規雇用
2006 年1 ~ 3 月期の雇用者5,002 万人のうち、正規雇用が3,340 万人(66.8 %、前年同期差0.9 %ポイント低下)となっているのに対し、パート・アルバイト、契約社員、派遣社員等の非正規雇用は1,663 万人(33.2 %、前年同期差0.9 %ポイント上昇)となっている。
長期的な推移をみると、1990 年代半ば以降、非正規雇用割合は上昇幅が大きくなり、パート・アルバイトの割合は、95 年の17.3 %(825 万人)から2001 年の23.0 %(1,152 万人)へ上昇。派遣社員の割合は、2000 年の0.7 %(33 万人)から2006 年1 ~ 3 月期の2.4 %(121 万人)まで上昇。
2003 年以降、正規雇用が減少する一方で、派遣・契約・嘱託等の労働者が増加しており、特に週の就業時間が35 時間以上のフルタイムの労働者とほとんど変わらない働き方をする非正規雇用が増加している。
最新資料(2006年10月発表)
※派遣労働者の受入れ企業数割合は36.7%で、前回(平成10年調査20.3%)に比べ16.4ポイント上昇した。企業規模別にみると、300~999人規模が65.4%、次いで1,000人以上規模が64.4%と6割を超えている。
派遣労働者受入れ企業の常用労働者に対する派遣労働者数割合は12.4%で、前回(同5.8%)に比べ6.6ポイント上昇した。
派遣労働者受け入れ企業の割合(平成18年就労条件総合調査結果の概況)

派遣労働(偽装請負含む)に関しては、労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会で議論しています。会議で配布された資料等が公開されましたら、随時追記していきます。
参考資料 労働政策審議会(厚生労働大臣の諮問機関)配布資料(2006年9月、10月)
派遣関係資料1  派遣関係資料2  派遣関係資料3
派遣労働の実態

第2節 賃金、労働時間の動向
1.賃金制度の変化
賃金は、所定外給与が3年連続増加となるなか、所定内給与、特別給与が増加に転じ、現金給与総額は5年ぶりに増加に転じた。また、春季賃金交渉における賃上げ率も2年連続で前年を上回り、企業収益の改善が賃金に波及してきている。
しかし、企業収益の賃金への配分は、業績連動型で賞与に反映される傾向が強まっており、また、基本給についても業績・成果主義の導入が進むなど、賃金制度に変化がみられる。

2.正規雇用者の長時間労働
労働時間については、2004年に比べ所定外労働時間の増加幅が縮小し、所定内労働時間の減少幅が拡大したため、総実労働時間が前年比減少となった。しかし一方で、壮年層の正規雇用労働者では長時間働く者の割合が高まっており、身体や精神の疲れを感じさせる働き方となっている。

第3節 物価、勤労者家計の動向
1.デフレ改善
国内企業物価は2年連続して前年比上昇となったものの、2004年に6年ぶりに前年と同水準となった消費者物価は再び下落に転じた。しかし、消費者物価は生鮮食品を除く総合では2005年11月に、総合指数でも2006年1月に前年同月比プラスに転じたことから、デフレが改善されつつある傾向がみられる。
勤労者家計は、2005年の消費支出は名目、実質ともにマイナスであったが、物価の下落によって実質消費支出は下支えられ、消費者心理の改善もあり、総じて堅調な動きとなった。

参考資料
平成18年版(2006年版)労働経済の分析(要約版)
平成18年版(2006年版) 労働経済の分析(本文版)

関連エントリー
労働市場改革(労働ビッグバン)-労働者派遣法改正の方向

労働経済白書2006解説
2006年版労働経済白書を読む(2)-製造業の請負労働
2006年版労働経済白書を読む(3)-若年者の職業的自立支援
2006年版労働経済白書を読む(4)-日本型雇用システム
2006年版労働経済白書を読む(5)-労働政策の課題

経済財政白書2006解説(1)~(5)

経済財政運営の中期方針(2007年~2011年)解説
日本経済の進路と戦略 ~新たな「創造と成長」への道筋~(1)
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この記事に対するコメント
◆技術者等の非正規雇用を明確に禁止すべき
◆技術者等の非正規雇用を明確に禁止すべき

▼民主党は、マニフェスト案において、『原則として製造現場への派遣を禁止』とす
る一方で、『専門業務以外の派遣労働者は常用雇用』としています。『専門業務』の
『常用雇用』が除外され、かつ『専門業務』に技術者 (エンジニア) 等が含まれると
すれば、これは看過できない大きな問題です。
技術者 (エンジニア) 等の非正規雇用 (契約社員・派遣社員・個人請負等) を明確
に禁止しなければなりません。
改正前の労働者派遣法に関する「政令で定める業務」の内容は、技術の進展や社会
情勢の変化に対し時代遅れになっており、非正規雇用の対象業務を、全面的に見直す
必要があります。
また、派遣社員だけではなく、「契約社員」・「個人請負」等を含む非正規雇用を
対象としなければなりません。

【理由】

●技術者等の非正規雇用が『製造現場』の技能職に比べて、賃金・雇用・社会保険等
において有利だという誤解があるならば、そのようなことは全くない。長時間労働
など過酷な労働環境に置かれている割には低賃金の職種で、雇用が安定しているか
というと、『製造現場』の技能職以上に不安定である。

技術者等が『製造現場』の技能職に比べて過酷な労働環境に置かれているにもかか
わらず、非正規雇用として冷遇されるのであれば、技術職より技能職の方が雇用・
生活が安定して良いということになり、技術職の志望者が減少して人材を確保でき
なくなる。努力して技術を身につけるメリットがなくなるため、大学生の工学部・
理学部離れ、子供の理科離れが加速する。一方、技能職の志望者は増加し、技能職
の就職難が拡大する。

●技術者等の非正規雇用が容認されると、マニフェスト案『中小企業憲章』における
『次世代の人材育成』と、『中小企業の技術開発を促進する』ことが困難になる。
また、『技術や技能の継承を容易に』どころか、逆に困難になる。さらに、『環境
分野などの技術革新』、『環境技術の研究開発・実用化を進めること』、および、
『イノベーション等による新産業を育成』も困難になる。

頻繁に人員・職場が変わるような環境では、企業への帰属意識が希薄になるため、
技術の蓄積・継承を行おうとする精神的な動機が低下する。また、そのための工数
が物理的に必要になるため、さらに非効率になる。事業者は非正規労働者を安易に
調達することにより、社内教育を放棄して『次世代の人材育成』を行わないように
なる。技術職の魅力が低下して人材が集まらなくなるため、技術革新が鈍化、産業
が停滞する。結局、企業が技能職の雇用を持続することも困難になる。

●派遣社員だけではなく、「契約社員」・「個人請負」等を含む非正規雇用を対象と
しなければ、単に派遣社員が「契約社員」・「個人請負」等に切り替わるだけで、
雇用破壊の問題は解決しない。

企業は派遣社員を「契約社員」や「個人請負」等に切り替えて、1年や3年で次々
に契約を解除することになり、現状と大差ない。

▲上記の様に、『製造現場への派遣を禁止』するにもかかわらず、技術者等の非正規
雇用 (契約社員・派遣社員・個人請負等) を禁止しないのであれば、技能職より雇用
が不安定となった技術職の志望者が減少していきます。そして、技術開発・技術革新
や技術の継承が困難になるなどの要因が次第に蓄積し、企業の技術力は長期的に低下
していきます。その結果、企業が技能職の雇用を持続することも困難になります。

これを回避するには、改正前の労働者派遣法に関する「政令で定める業務」の内容
を見直して技術者等の非正規雇用を禁止し、むしろ技術者等の待遇を改善して、人材
を技術職に誘導することが必要です。これにより、技術者等は長期的に安心して技術
開発・技術革新に取り組むことに専念できるようになります。その成果として産業が
発展し、これにより技能職の雇用を持続することが可能になります。

もしも、以上のことが理解できないのであれば、管理職になる一歩手前のクラスの
労働者ら (財界人・経営者・役員・管理職ではないこと) に対し意識調査をするか、
または、その立場で考えられる雇用問題の研究者をブレーンに採用して、政策を立案
することが必要です。
【2009/08/23 17:15】 URL | #gAE7LgKA [ 編集]


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Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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