nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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ポスト小泉の経済課題-所得再分配政策とアジア外交
8月9日付朝日新聞朝刊の竹森俊平慶応大学教授(国際経済学)のインタビューのまとめ。
小泉首相は、経済政策で指導力をはっきり示し、不良債権問題を片付け、「失われた10年」に決着をつけたのが最大の貢献だ。格差を是正する所得再分配政策やセーフティネット、経済連携協定(EPA)を中国やインドに広げるなど経済ネットワークを構築するアジア外交が課題である。首相の指導力が発揮できる政策決定のプロセスが意識されてきて、経済だけでなく、外交や安全保障問題でも大統領的な指導者を求める空気が強くなっている。



―小泉政権の5年間で経済をめぐる状況はかなり変わりました。
経済でも米国とのかかわりが重要な要素だった。米国は01年以降金融緩和(利下げ)を進める刺激策をとった。その後の「9.11事件」で世界秩序維持の面から危機意識はさらに強まった。景気を刺激する一方で、為替レートを安定させる。米国内の需要を増やしながらアジアの国の通貨が米ドルに対して高くなることが防げたため、対米輸出が急増し、アジア経済が引き上げられた。米国とアジアが一つのブロックになった。
―経済でも日米連携が強化されたと。
本来ならドル安円高になるのだが、米国は、円高抑制で日本の大規模な円売り介入を容認したため、日本も輸出主導で景気回復が始まった。
―景気回復は構造改革の成果だと政府は強調します。
不良債権問題を片付け、「失われた10年」に決着をつけたのが最大の貢献だ。経済財政諮問会議に情報を集中し、経済政策で指導力をはっきり示したのは小泉首相の功績だ。首相は長期的な構想や明確な政策ビジョンはさほどないが、景気を重視し、市場の反応を見ながら手を打った。その時々の世論や社会の空気を敏感につかんで行動する才能が経済政策でも生かされた。
―構造改革をどう評価しますか。
経済を停滞から脱却させたが、構想力、長期的なビジョンが欠けていた。例えば、国民が安心できる徹底した社会保障制度の改革ができなかった。もう一つはアジアの経済外交だ。経済連携協定(EPA)を中国やインドに広げるなど経済ネットワークを構築できなかった。
―格差拡大の問題もあります。
世界規模で産業が再編し、マイクロソフトのように技術革新で先行した企業が世界標準を作り上げて圧倒的な規模の利益を得る経済になった。市場や価格の動きにあわせて、企業の退出や参入が自在に行われる「経済の柔軟性」が問われ、日本企業も生き残ろうとした。長期雇用などを捨て、派遣社員などの安い労働力を増やしたこと、雇用の二極化が進んだ。
―グローバル化の負の面への対応が弱いのでは。
格差を是正する所得再分配政策をどうするのかは世界的な問題だ。
―戦後日本の価値も変わったのでしょうか。
政府は官主導でなく資本の論理や力を借りて経済の転換、調整をする方向に変えたが、小泉首相でなくてもそうなっただろう。格差問題も「仕方がない」とあきらめられる可能性がある。人口が都市に集中するのにあわせ、政治スタイルが都市型になる橋渡しをした時期といえる。
―ポスト小泉でも経済政策の方向は変わらないのでしょうか。
再分配政策やセーフティネットについては宿題が残っている。選択肢としては、財政や社会保障などの公助を立て直し、欧州型の福祉国家をめざす道もある。職業訓練などセーフティネットを拡充し、年金制度を安定させるため欧州のように消費税率を15%~20%にするという選択だ。それに対し、消費税を大幅には上げない代わりにセーフティネットも拡充しないという選択肢もある。
―対外的には。
アジア外交の修正だ。親米を貫くことで、中国を牽制しようというのが当初の路線だったが、いまや米国は中国を重視し、靖国問題もあって外交がとまってしまった。アジアの連携や共通通貨などの取り組みをどう進めるか、これからの課題だ。
―対立軸や選択肢を示すことが重要だと。
いまは政治家が思想のパッケージセールスを考える時代だ。小泉首相は市場主義改革を掲げて保守的な世代・階層とぶつかった。靖国神社参拝にはバランスを保つ思惑もあると思う。経済自由主義とナショナリズムのパッケージだ。
―政策決定の過程もかなり変わりました。
首相の指導力が発揮できる政策決定のプロセスが意識されてきた。実際、経済だけでなく、外交や安全保障問題でも大統領的な指導者を求める空気が強くなっている。

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テーマ:ポスト小泉について - ジャンル:政治・経済

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赤澤 波

Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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