nami社会保障通信
社会保障政策(年金・医療・介護・生活保護・雇用・少子化対策)の解説や意見
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靖国神社A級戦犯合祀の法的根拠は遺族年金の支給
社会保障制度の専門家として、年金支給の視点から、靖国神社A級戦犯合祀問題を考えているのですが、合祀の法的根拠はちゃんとあります。合祀の選考基準は、 「戦傷病者戦没者遺族等援護法」と「恩給法」のいずれかに該当するということです。
A級戦犯の遺族にも公務による死亡として、軍人恩給の遺族年金が支給されていることから合祀の基準を満たしています。
昭和21年2月1日に、GHQの指令で旧軍人軍属の恩給が廃止されましたが、昭和28年8月1日に 「恩給法の一部を改正する法律」(法律第155号)により、旧軍人軍属の恩給、扶助料などを廃止前の制度に相当の制約を加え復活させました。
恩給法では、年金を受ける権利がなくなる理由の1つに、「懲役乃至は禁固に処せられた者」がありますから、遺族年金が支給されているという事実は、国内法では犯罪人という認定はしていないということがわかります。



大原康男国学院大学教授の「靖国神社A級戦犯合祀の真実と分祀論の虚構-戦犯合祀は官民一体作業」より抜粋。


(合祀の)選考の基準にはきちんとした法的根拠がなければならない。そこで、「戦傷病者戦没者遺族等援護法」と「恩給法」のいずれかに該当する、という基準を立てた。
その「援護法」と「恩給法」自体の適用範囲が広がります。戦前のように軍人・軍属やそれに類する者だけではなく、例えば徴用された船舶の乗組員であるとか、空襲警報下に避難誘導や防火に努めた警防団員だとか、あるいは国民義勇隊の隊員なども含められるようになった。  そうしたなかで、いわゆる戦争犯罪人として処刑されたり、獄死されたり、あるいは裁判中に自決された方々も、「援護法」と「恩給法」の対象のなかに入れるべきだという議論が高まり、昭和28年8月に成立したこの2つの法律の改正によって、戦犯の遺族にも戦没者遺族と同様に遺族年金、弔意金、扶助料などが支給されるようになります。しかも、講和条約発効後も収監されていた有期刑や無期刑の方々は、昭和33年には全員が釈放され、そうした元受刑者本人に対する恩給も支給されるようになった。
そもそも戦犯なるものは、日本から見れば、日本が主権を喪失していた時代に日本国家の意志とは無関係に連合国側が一方的に裁いたにすぎない。戦後の日本政府は、この点をきちんと踏まえていて、いわゆる戦犯に対して、国内法上の犯罪人という認定は一切していない。
例えば、恩給法を見ますと、恩給権の消滅事由のなかには、「本人の死亡」と並んで「懲役乃至は禁固に処せられた者」という事項もあるのですが、先に述べたように、戦犯は恩給権を失ったわけではない。また、「懲役乃至は禁固に処せられた者」は、選挙権や被選挙権も当然停止されますが、いわゆる戦犯は現実には巣鴨プリズンの中で選挙権を行使していました。つまり、日本政府は戦犯を占領中から犯罪者としては見ていないのです。また、刑死した人々も同様で、その死はあくまでも「法務死」と呼ばれています。
このような経緯があって、BC級戦犯として亡くなった方の「祭神名票」が昭和34年から靖国神社に送られ、その年に最初の合祀がなされる。A級戦犯については、昭和41年2月に「祭神名票」が神社に送られました。刑死した方7名と、未決で巣鴨収監中に亡くなった方と受刑中に亡くなった方7名の計14名です。ただ、その頃ちょうど、靖国神社の国家護持の問題が盛んに議論されていた頃であったことも配慮してでしょう、すぐには合祀されなかった。ようやく昭和46年になって崇敬者総代会で合祀が了承されますが、合祀が承認されても直ちには合祀せず、結局、昭和53年の秋季例大祭の前日の霊璽奉安祭で合祀されるということになり、翌54年4月19日、そのことが新聞報道によって明らかになり、国民の知るところとなった。
こうした一連の経緯を考えますと、戦犯の合祀が歴代政府の厚生行政の一環として行われたことは明らかです。しかも、国民の代表である国会が行った恩給法や援護法の改正に従って、その対象とされた戦犯の方々を、厚生省と都道府県が協力して「祭神名票」として靖国神社に送り、靖国神社はそれによって合祀した。ですから、靖国神社が「勝手に」「密かに」合祀したわけでも何でもない。さきに触れたように、いわば、官民一体の共同作業によって合祀されたわけです。

関連サイト
厚生労働省 社会・援護局

関連エントリー
ポスト小泉レース-靖国神社問題(namiメモ)
靖国神社の合祀は国の政策(namiメモ)
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テーマ:政策 - ジャンル:政治・経済

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赤澤 波

Author:赤澤 波
社会保険労務士・Wikipedia年金分野編集者 
社会保障の理念は変動する社会の中で国民のセーフティネットを確立すること。
自由主義の社会福祉国家の社会保障政策を考えます。
詳細プロフィール(http://d.hatena.ne.jp/nami-a/about)

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